「功績祭り行く人おおおお!」
 蓮華さんが鼓膜が割れるような声であおぞら部の皆に叫んだ。
 
「誰かかまあああああああん!!!」
 続けてRiccaさんが蓮華さんより大きな声で叫んだ。
  
「誰かおいでー……」
 麗華さんが幽霊のような声で言った。
 
 麗華さんの声であおぞら部皆の背筋がゾーッとした。
 だけれど、麗華さんは頭にクエスチョンマーク──はてなマーク──を浮かべていた。
 
「うっせーよwwwww」
 カズナさんが指で耳を押さえながら、二人に対して言った。
 何を勘違いしたのか、麗華さんが
 
「耳痛いのー?」
 耳を押さえてる指を、自分の指で指差ししながら言った。
 
「ちげーよwwwwwwwww」
 何時もの様に突っ込むカズナさん。
 疲れないんですか、なんて届くわけも無く……
 
「めっちゃ疲れる」
 え……。
 ……まぁ、それは置いといて、再び人探し。
 
 
 
 

「誰か功績祭り行く人居ませんかあああああああああ!!!!」
 蓮華さんが先程よりも大きな声で叫ぶ。
 
「だからうっせーよwwwwww」
「普通に喋っても聞こえるからwwwwwww」
 カズナさんが何時もの突っ込み。
 今度は耳塞がないんですか?あ、もう慣れちゃったんですね。
 まぁ、あおぞら部で一番の突っ込み役ですもんね。
 どうせ聞こえてないから……
 
「めっちゃ聞こえてます。 突っ込み役とか何時から決まってたんだwwwww」
 ……さっきのは偶然じゃなかったんですね。
 いや、流石突っ込み役。
 
「突っ込み役とか関係ねえwwwwwwwww」
 
 
 
 
 
 
「功績祭り行く人おおおおおおおおおおおおおお!!」
 次はRiccaさんが叫ぶ。
  
 " うっせーよ "という突っ込みは何回しただろう。
 流石に疲れたのでカズナさんはその言葉を飲み込む。
 
 何回か叫んだ挙句、誰かがポツリとつぶやいた。

「行くー」
 その言葉で、Riccaさんと蓮華さんの目はキラリと光った。
 麗華さんは……、キューピットの前でたった一人、座り込んでるとでも行って置こう。
 ……キューピットとお話しするのが麗華さんの日課、と言うことは内緒にして置きます。
  
「ぬ…?」
 麗華さんが何かを感じたのか、再び頭にクエスチョンマークを浮かべた。
 ……もしかして皆聞こえるんじゃ……。
 
 なんてどうでもいい事は置いといて、
 先程"行く"、そう呟いた方は誰?
  
 二人が同時に名前を確認する。
 " タンタカ "。
 ……。
 
 
「ぬあああああああっ」
「ごらああああああっ」
  
 蓮華さんとRiccaさんが叫ぶ。
 状況が分からない方に説明を。
  
 何回か叫んだ挙句、やっと行きたいと言う人が現れた。
 蓮華さんとRiccaさんは目を輝かせて後ろを振り向いてその人の名前を確認。
 その人の名前はタンタカ。
 ……まぁ、タンタカはカズナさんのサブと言ったほうが早い。
 
「引っかかった」
 タンタカさん……、つまりカズナさんが
 にこにこしながら言った。
  
「このパンパカパンめ!!!!」
 Riccaさんが憎しみと怒りと悲しみを混ぜ合わせながら言う。
  
「私の目ーキラキラ返せええええ!!!」
 蓮華さんが目を燃やしながら拳を握って言う。
 
「おもしれーw」
 タンタカさんが爆笑しながら去っていく。
 
 これには、あおぞら部で一番テヘ、な重甲戦士Riccaさん。
 あおぞら部で一番の寝落ち女王蓮華さんも黙ってはいられない。
  
 二人の中で何かがキレた。
 いや、こんな事でキレるなんて可笑しい、そう思った方。
 小説と言う事を忘れずに。
  
 Riccaさんがトレジャーウィップ──ロープ──を使って、
 タンタカさんが乗っている機甲を引っ張り上げた。
  
 Riccaさんの後ろからひょこっ、と蓮華さんが顔を出す。
 
 ……この後は皆さんのご想像にお任せいたします。
 
 
 
  
  
「ふー!」
 蓮華さんが満足したような顔で座り込む。
 Riccaさんも同じように座り込む。
   
「……え?」
 二人が座り込んでいる中、麗華さんは未だにキューピットの前で座っている。
 その時、麗華さんの前にタンタカさんが現れた。
 
「……ど、どーしたの……?」
 麗華さんは顔を真っ青にして、声を震わせながら言った。
 先程の事件を知らないのは、ただ一人キューピットと話していた……いや
 キューピットの前で座っていた麗華さんだけ。
  
 ……あ、貴方、タンタカさんがボコボコにされたって思ってません?
 それはひどすぎますよ、全然違います。
 
 タンタカさんは、無理やり、初心者の格好にさせられて
 試し──他国同士が戦い合う場所──で倒されて来い、と試しに投げられたんです。
 
 初心者の格好が余りにもキモ可笑しくて麗華さんが吃驚している。
 ……まぁ、とりあえず功績祭りに行く人を探しましょう。
 
 続(また?

 ─

 なんかカズナさんがヤバくなりました。
 すいません、ほんとすいません。